写真パネルを作るには
写真店などでプリントした写真や、自宅のインクジェットプリンタで印刷した写真を、壁に掛けて鑑賞できるように専用のケースに入れたり、写真をボードに貼付けたりしたものが写真パネルです。
スマホやデジカメに撮り溜められた写真の中から、お気に入りのものを写真パネルにして飾ってみたいと思われてる方も多いのではないでしょうか。
当社は、写真パネルを部屋に飾られたい方、人に贈られたい方、また個人や仲間と共同で写真展を開催される方々などのためにも、長年たくさんの写真パネルを製作してまいりました。
ここではこれから写真パネルを作りたいと思われている方のために、その作り方をご案内いたします。
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目 次
写真パネル作り・印刷は写真用紙で
まずは写真パネル用に印刷するための用紙選びです。
写真といえば以前は銀塩方式で印画紙に焼きつけていましたが、現在ではインクジェットでの印刷が主流のため、ここではインクジェットでの印刷用紙をご案内いたします。
ご家庭でもインクジェットプリンターを使って印刷された経験のある方も多いと思いますが、コピー用紙とも言われる一般的な普通紙だと写真はきれいに印刷されません。
インクジェット印刷では、非常に微細なインクの粒を噴出し、これを紙の表面に定着させます。
普通紙ではこの微細なインクの粒が、紙に浸透して広がってしまうため、印刷された写真画像は、鮮やかさに欠けた、ぼやけたイメージになってしまいます。
写真をきれいに印刷するには、ぜひ写真用紙(フォト用紙・フォトペーパー)を使いましょう。
インクの微細な粒が紙の表面で滲んで広がらないように、紙の表面にインクを受ける層をコートしたものがインクジェット用紙ですが、その中でも写真の再現性を良くするため、インクを受ける層に様々な工夫を用いたものが写真用紙です。
しかしこの写真用紙にもたくさんの種類があり、量販店のインクジェット用紙の売り場やアマゾンなどのネット通販でも色々なものが販売されており、どれを選んでよいのかわかりません。
オフセット印刷などに使われる用紙であれば、コート紙や上質紙など一般的な区分けがあり、あとはその重量(厚み)がわかれば印刷の仕上がりもだいたい想定できます。しかしインクジェット印刷の写真用紙では、オフセット印刷の用紙のような種類ごとの一般的な呼び方はなく、メーカー各社ごとに、創意工夫して開発した写真用紙に独自の名前を付けて販売しているため、その写真用紙がどの程度のクラスの商品なのか、またどの程度の仕上がりになるのかが大変わかりにくくなっています。
写真用紙を選ぶ時の基準のひとつは、販売されている商品の価格を比較することです。極限まで美しく写真を印刷したい要望に合わせたハイエンドな商品は当然高価格であり、気軽に写真を印刷したいという需要に対応したスタンダードな商品は低価格となっています。
また写真用紙には、光沢、半光沢、つや消しなどの違いもありますが、それぞれ仕上がりのイメージが異なりますので、写真のイメージに合ったもの、掲示する場所を考たものを選択しましょう。
写真パネルを業者に頼む場合は、使用目的や望まれる仕上がりレベルに合った用紙はどれかを問い合わせするのが一番です。また業者でポスター印刷の用紙と、写真パネルに使用する用紙が同じ場合は、まずポスターの小型版で一度印刷して仕上がりを確かめるという方法もあります。
※当社サイビッグネットではお試し印刷サービスがご利用いただけます。
写真パネル加工
写真展で写真を掲示するにしろ、家で写真を飾るにしろ、写真をどういう方法で掲示するかには決まったものはありません。印刷した写真紙を虫ピンやテープで壁にとめるのが一番簡単でしょう。しかし、写真紙の裏にボードを付ける、いわゆるパネル化すれば、写真紙の反り返りも防げ、見栄えも遥かに向上します。
業者に製作を依頼する場合でも、自分でパネルに加工する場合でも、写真パネル加工には様々な方法があります。これからその代表的なものをご紹介させていただきます。
スチレンボードパネル
印刷した写真をスチレンボードという軽量の発泡樹脂のボードに貼り込んだものです。スチレンボードには粘着剤が付いていますので、写真をそのまま貼ることができます。スチレンボードはウッドラック(商品名)とも呼ばれ、また粘着剤が付いたスチレンボードはハレパネ(商品名)とも一般的に呼ばれます。(粘着剤が付いていないスチレンボードに、熱で溶ける接着剤を使って写真を貼る方法もあり、ドライマウント加工と言われます。)
スチレンボードパネルは比較的に安価です。また軽量で持ち運びも楽で、掲示も簡単にできるため、写真のパネル化では大変よく使用されます。
以前は、スチレンボードパネルは安価に製作できるものの、熱や湿気の変化で反り返りが出やすく、ごく短期の掲示にしか向かないとも言われていました。しかし現在ではボードの構造に工夫を加え、ボードの両面に紙の層を設けたり、さらにその上に薄い樹脂の皮膜を設けるなど多層化することにより、熱や湿気などによるボードの反り返りを極力抑えた商品も開発されてており、中長期での掲示にも使用されています。
一般的に写真のパネル化に使用されるスチレンボードの厚さは5mmか7mmです。
板の大きさは、小型のA4サイズ程度から、大きなものではA1サイズやA0サイズ、さらに大きな900mm✕1800mmや、1200mm✕2400mmの板もあります。
A4サイズ程度の小型のものであれば、簡単にスチレンボードに貼り込むことができますが、大型のものになると、貼る時に空気が入り易く、業者に頼むのが良いかもしれません。
またスチレンボードパネルでは、周囲に専用のアルミのフレームを取り付ける加工も良く行われます。
アルミフレームを取付けることで、ぶつけた時に角落ちしやすいスチレンボードパネルの欠点を補え、また枠が付くことで見栄えが良くなりますし、アルミフレーム枠に付いている三角金具を使って、フックやチェーンなどでの掲示もできるようになります。
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※ボードに貼り込むタイプの写真パネル加工では、スチレンボードの他にも、より硬質な樹脂でできたゲータフォーム(商品名)や、アルミで樹脂をサンドしたアルポリック(商品名)などのボードもよく使用されます。
ポスターパネル
ポスターパネルは、ポスターフレームや、イレパネ(商品名)とも呼ばれます。
構造は、表面の透明の板と、背面の板との間に、印刷された写真紙を挟みこむものです。
表面の透明の板には、塩ビやPETやアクリル製で1mm程度の厚さのもの、もしくは薄いガラス板が使用されます。
背面の板には、ベニヤなどの木製の板や、5mm厚程度のスチレンボードが使用され、パネルの周囲にはアルミや木や樹脂製のフレームが付きます。
また写真紙をパネルに装着する方法には様々なタイプがありますが、主なタイプは下記の3通りです。
- 周囲のフレームの一部を外して、表面の透明板と背面の板を取り出し、その間に写真紙を挟み込んで、またフレームに戻すもの。
- 裏面から背面板を外して写真紙をセットするもの。
- 四辺のフレームを前面に起き上がらせて、簡単に中に写真紙を装着できるようにした前面開閉型のもの。
下記は裏面から写真紙をセットする製品を裏側と表側から見たイメージです。
ポスターパネルのサイズには、A4、A1サイズなどの用紙定形のA形のものと、B3やB1などの用紙定形のB形のものがあります。それ以外にも、四つ切サイズなど写真の紙焼きのサイズに合わせたものや、正方形のものなどもあります。
また市販されている最大サイズは、B0サイズ(1030mm✕1456mm)程度までとなります。
ポスターフレームは、大型画材店、大型カメラ店、ホームセンターをはじめ、amazonや楽天をはじめとしたネット通販でも多く販売されています。
ここでは市販されている様々な種類のポスターパネルの中からいくつかをご紹介いたします。
・アルミ製フレーム
アルミフレームの色は、シルバー、ブラック、ホワイト、ゴールド、それにアルミに着色した木目調のものなどがあり、サイズはB5(182✕257mm)からB0(1030✕1456mm)程度まであります。
写真紙のセット方法は、一部のフレームを外してセットする方式、裏面のボードを外してセットする方式、パネル前面からセットできる方式があります。
(ご参考)amazonなどで「ポスターパネル」で検索すれば色々な種類のものが見つかります。
・木製フレーム
木製フレームの色は、ブラウン、ブラック、ホワイト他、色々な種類があります。
サイズは、写真用のL版用の小さいサイズから、A1サイズ(594✕841mm)程度までとなります。
写真紙のセットは、主に裏面のボードを外してセットする方式となります。
(ご参考)amazonなどで「ポスターパネル 木製」で検索すれば色々な種類のものが見つかります。
・樹脂製フレーム
樹脂(プラスチック)の特性をいかしたカラフルな色のフレームが特徴です。
サイズはB5(182✕257mm)からB0(1030✕1456mm)程度まであります。
写真紙のセットは、主に裏面のボードを外してセットする方式となります。
(ご参考)amazonなどで「ポスターパネル 樹脂」で検索すれば色々な種類のものが見つかります。
・アクリルフレーム
3mm厚程度の透明アクリル板2枚で表と裏から写真を挟さむタイプです。
アクリルの透質感で写真がより際立ちます。
サイズは、写真用のL版用の小さいサイズから、B3サイズ(364×515mm)程度までとなります。
(ご参考)amazonなどで「アクリルフレーム」で検索すれば色々な種類のものが見つかります。
※写真の表面に、透明アクリル板を貼り付けるフォトアクリルという加工もあり、写真加工の業者で取り扱っているところがあります。
木製パネル
木枠にベニア板を貼り付けたパネル(=木製パネル)に写真を貼り付け、パネルの側面には黒や白などの紙テープを巻いたものです。木製パネルは昔から写真展などでの写真の掲示によく使われています。
写真を木製パネルで仕上げる場合は、印刷から木製パネル加工まで一貫して取り扱っている業者に依頼する方法があります。
またA4サイズ程度までの、ご自宅で印刷できるサイズの場合、ご自分で木製パネルまでの加工を行われる方も多く、「 写真 木製パネル 自作 」などのキーワードで検索されれば、加工方法のブログ記事がたくさん見つかります。またYouTubeにも作り方の動画が色々アップされているので自作の際の参考になるでしょう。
※ベースとなる木製パネルや紙テープは、画材店やamazonなどのネット通販で入手可能です。
(ご参考)amazonなどで「ベニヤパネル」で検索すれば色々なサイズの自作用の木製パネルが見つかります。
マットパネル
マットパネルは、写真紙の上に窓状に中央がくり抜かれたマット紙という厚い台紙を置いてパネル化したものです。
写真と周囲のフレームとの間に余白ができるため写真が引き立ち、またVカットされたマット紙の厚みにより奥行きがある感じを出すことができるため、写真や絵画を額装する時によく使われる方法です。
マットパネルには、ポスターパネル(イレパネ)的な写真紙を挟み込むタイプのものと、木製パネルに写真を貼り、その上にマット紙を貼って加工するタイプのものとがありますのでご紹介いたします。
マットパネル・ポスターパネル型(写真額)
周囲にアルミや木製のフレームが付いたもので、写真額(フォトフレーム)とも呼ばれるタイプです。
写真紙は裏のボードを外してセットします。表面は透明の塩ビ板やPET板、またはガラス板になります。
マット台紙が黒色でフレームも黒色のもの、マット台紙が白色でフレームも白色やシルバーのものなどがあります。
(ご参考)amazonなどで「写真額」で検索すれば色々な種類のものが見つかります。
マットパネル・木製パネル型
木製パネルに写真を貼り、その上にマット紙を貼って加工したものになります。
マットパネルの木製パネル型を製作する方法としては、下記となります。
- 写真加工を手掛けている業者に写真印刷から木製パネル加工までを依頼する。手掛けている業者を探す場合は「マットパネル加工」などのキーワードで検索します。
- 写真印刷は自分で行い自作する。木製パネルとマット台紙、紙テープは大手画材店などで購入できますが、ネットで購入する場合は、「ベニヤパネル」「マット台紙」「水張りテープ」などのキーワードで検索します。
(ご参考)大手カメラ店やamazonなどでは下記のようなマットパネルが簡単に製作できるキットも販売されています。
(参考)表面ラミネートをどうするか
業者に写真パネルの製作を依頼する場合、表面にラミネート加工を施すオプションがある場合があります。
ラミネート加工とは、粘着が付いた極薄い塩ビなどでできた透明のフィルムを、印刷された用紙の表面に圧力をかけて貼り付けたものです。一度圧着されたフィルムは剥がすことはできません。(ラミネート加工には、ラミネータというローラーで圧力をかける機械が必要なため、個人での加工はできません。)
写真紙へインクジェットで印刷したものは、実は意外と印刷表面に傷が入り易いため、ラミネート加工は表面の保護のために大変有効です。また表面が汚れた時もラミネート加工されていれば拭いて落とすことができます。ラミネートに使用するフィルムにUVカット剤が入っている場合は、紫外線による退色も抑えることができます。
写真パネルのラミネート加工に使われるフィルムは、ラミネート加工されているかどうかわからないくらい極薄いものですが、ラミネート加工された写真は透質感があり、見栄えが非常に向上します。またつや消しのラミネートフィルムで加工されたものは、反射を抑えた落ち着いた雰囲気の仕上がりとなります。
※サイビッグネットでは印刷ラミネート加工された用紙を含むサンプル帳を無料でお送りいたしています。
最後に
写真パネルの作り方について色々ご紹介いたしましたが、ご参考になりましたでしょうか。
当社サイビッグネットで取り扱っているものは、写真パネルでも最もポピュラーなスチレンボードパネルになります。
比較的に安価に製作でき、軽量で取り扱いも掲示も楽な商品です。写真展や、ご自宅での掲示用に是非ご検討ください。
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